夏の睡眠を制する!エアコン・室温・湿度の最適設定と快適グッズ・アプリ完全ガイド
目次
はじめに:なぜ夏の睡眠は難しいのか?

「夜になっても暑くて、なかなか寝つけない」「夜中に目が覚めてしまう」毎年夏になると、そのような悩みを持つ方が少なくありません。
夏の睡眠について考えるうえで、睡眠と体温の関係が重要とされています。
ヒトの身体は、入眠の過程において体の内部の温度(深部体温)が低下します。入眠の時間帯に向けて深部体温は下がりはじめ、手足などの末梢から熱を放散することでその低下が促されます。
夏の夜は外気温・室温がともに高い状態になりやすく、熱の放散がうまくいかないため体の内部の温度が低くなりにくく、眠りが浅くなることがあると言われています。
なお、気象庁の定義では、夜間の最低気温が25℃以上の夜を「熱帯夜」と呼びます。熱帯夜が続く時期は外気温が夜間も下がりにくく、室内環境の管理が課題となる場合があります。
また、環境省の「熱中症を防ぐためには」(熱中症環境保健マニュアル)では、夏の睡眠不足は、熱中症のリスクを高くする可能性があり、日中の環境や行動だけでなく、夜間の睡眠環境を整え、しっかり眠ることが大切と明記されています。夏の睡眠環境を整えることは、翌日の体調管理という観点からも意識しておきたい点です。
本記事では、夏の睡眠環境に関わる「室温」「湿度」「エアコンの使い方」、および補助的に活用できる「グッズ・アプリ」について整理します。
夏の睡眠に最適な室温とは? 「室温」に関する情報の整理

室温と身体の関係
室温は睡眠環境を構成する要素のひとつです。入眠の過程における深部体温の変化については前述のとおりですが、室温との関係については個人差や条件による違いがあり、一律の評価は困難です。
公的機関による室温管理の呼びかけ
就寝時の室温について、環境省は熱中症予防の観点から、エアコンを活用して室温を適切に管理するよう呼びかけています。
環境省の「熱中症を防ぐためには」には、空調設備(エアコン)使用のポイントとして、温湿度計で室温をこまめにチェックし、エアコン使用時の室温「28℃」を目安に、適切な温度を保つようにしましょう。特に高齢者は暑さを感じにくくなっているため、皮膚感覚で判断せずに、温湿度計で確認しましょうと記載されています。
また、同マニュアルでは、夜間はエアコンのタイマーが切れた後、室温が非常に高くなってしまうことがあります。タイマーは少なくとも3~4時間は使用しましょうとも明記されています。
消費者庁が、夏季の就寝時における室内環境管理について注意喚起を行っています。
「室温28℃」はあくまで目安
「快眠できる室温は○℃」という情報をインターネット上で見かけることがあります。環境省のマニュアルでも、「28℃」という数値はあくまで目安であり、冷房時の外気温や湿度、立地や空調施設の種類等の建物の状況、室内にいる方の体調等を考慮しながら、無理のない範囲で室温管理の取組を行うよう呼びかけるものであると説明されています。
公的機関の呼びかけを参照しながら、室温管理の取り組みを検討することが考えられます。
「湿度」管理に関する情報の整理 室温と合わせて確認する

湿度と体温調節の関係
室温と合わせて、湿度も夏の睡眠環境を構成する要素のひとつとして挙げられます。
ヒトの身体は、高温環境において発汗による気化熱を利用した体温調節を行います。環境省の「熱中症を防ぐためには」では、体温を下げるためには、汗が皮膚表面で蒸発して身体から気化熱を奪うことができるように、しっかりと汗をかくことが必要であると説明されています。高湿度の環境では汗の蒸発が妨げられるため、この気化による体温調節が行われにくくなります。これは生理学の教科書に記載されている基礎的な事項でもあります。
「室温はそれほど高くないのに、なんとなく蒸し暑くて眠れない」と感じる夜には、湿度が関係している場合があります。
環境省による湿度管理の呼びかけ
環境省の熱中症予防マニュアルでは、室温と併せて、部屋の湿度を下げることも重要であり、エアコンの冷房運転時には室温を下げ除湿もするため真夏の蒸し暑い日に適しているが、梅雨時のように気温が低く湿度が高い場合は除湿機能を使うと室温を下げ過ぎずに除湿することができると記載されています。単体の除湿器をエアコンと併用することも有効とされています。
エアコンの使用に関する情報の整理 タイマー・風向き・設定温度

就寝時のエアコン使用に関する公的機関の呼びかけ
「エアコンをつけたまま寝ることへの懸念」を感じる方がいる一方で、環境省・消費者庁・厚生労働省は、夏季の就寝時における熱中症予防の観点から、エアコンの使用を呼びかけています。
環境省と厚生労働省が共同で作成した高齢者向けリーフレット(「高齢者のための熱中症対策」)では、屋内ではエアコン等を適切に使用し、涼しい環境で過ごすことを求めており、熱中症警戒アラート発表時には昼夜問わずエアコン等を使用して温度調節をするよう呼びかけています。
また、厚生労働省三重労働局の資料でも、高湿度などにより寝不足となった翌日は発症リスクが高まるため、エアコンの使用等により快適な睡眠環境を構築することが示されています。
タイマー機能について
エアコンのタイマー機能(オフタイマー・オンタイマー)については、環境省の「熱中症環境保健マニュアル」に具体的な目安が記載されています。夜間はエアコンのタイマーが切れた後、室温が非常に高くなってしまうことがあるため、タイマーは少なくとも3~4時間は使用するよう呼びかけています。
タイマーの設定方法については、お使いの製品の取扱説明書や各メーカーのサポート情報をご参照ください。
風向きの設定について
エアコン使用時の風向きについて、環境省のマニュアルには明確な記載があります。エアコンの冷気流に直接当たり続けると体が過度に冷えてしまうため、直接エアコンの冷気流が体に当たらないように風向きを調整すること、また、風が気になる方は扇風機の風を壁や天井に当てて跳ね返った気流を利用すると風がやわらかくなると記載されています。
また、同マニュアルでは、室内に温度むらが生じる場合には、エアコンのルーバーを動かしたり、扇風機を使って室内の空気を循環させること。暑い空気は部屋の上の方、冷たい空気は部屋の下の方に溜まりやすいことも説明されています。
節電との兼ね合いについて
電気代への懸念からエアコン使用をためらう場合についても、環境省は明確な立場を示しています。環境省の住まいの工夫に関する記載には、空調設備について「我慢せずに冷房を入れる」ことが記されており、節電より熱中症予防を優先する観点が示されています。
また、室温を下げすぎると(24℃を下回る)、外気温との差が大きくなり、部屋に出入りする際に体の負担になるという点も記載されており、「冷やせばよい」ということではなく、適切な温度管理の重要性が示されています。
夏の睡眠環境に関連するグッズ・アプリの紹介

本章では、夏の睡眠環境に関連するとして市場で販売されているグッズ、およびスマートフォン向けアプリのカテゴリを紹介します。
睡眠環境に関連するグッズ
- 温湿度計
室内の温度と湿度の数値を確認するためのツールです。環境省のマニュアルでは、特に高齢者は暑さを感じにくくなっているため、皮膚感覚で判断せずに温湿度計で確認すること、また部屋の構造によってはエアコンを使っていても室内に温度むらが生じる場合があるため、自身の近くに温湿度計を置いて室温を確認するよう呼びかけています。デジタル表示タイプやスマートフォン連携タイプなど、さまざまな製品が販売されています。
- 冷感素材の寝具・パジャマ
接触冷感素材を使用した枕カバー・シーツ・パジャマ類が販売されています。接触時のひんやり感を特徴とする製品カテゴリです。
- サーキュレーター・扇風機
室内の空気を循環させる用途で使用されるツールです。環境省のマニュアルにも、扇風機をエアコンと一緒に使うことで、同じ温度でもより涼しく感じることが記載されています。直接冷風が身体に当たることを避ける目的でも使用されます。
- 冷却枕・冷却ジェル枕
就寝時に頭部や首回りに使用することを目的とした製品です。
睡眠管理アプリについて
スマートフォン向けの睡眠計測・記録アプリが複数存在します。
これらのアプリの多くは医療機器ではなく、睡眠障害の診断・治療・予防を目的とするものではありません。医療的な判断の根拠として使用することは適切ではありません。
カテゴリとして存在する機能の例としては、以下が挙げられます。
- 就寝・起床時刻の記録
- 睡眠時間の記録・確認
- 設定した時間帯でのアラーム機能
アプリが提供する情報の内容・精度については、製品ごとに異なります。各アプリの仕様・利用規約をご確認ください。
睡眠に関して気になる症状がある場合は、医療機関にご相談ください。アプリの記録を参考情報として持参することは、受診時の情報提供として考えられます。
まとめ 本記事でお伝えした内容の整理

ポイント① 睡眠と体温の関係
入眠の過程において深部体温が低下し、手足などの末梢から熱が放散されることは、睡眠生理学の学術資料に記載されている事項です。環境省のマニュアルでも、夏の睡眠不足が熱中症のリスクを高める可能性があるとして、夜間の睡眠環境を整えることの重要性が明記されています。
ポイント② 室温管理は熱中症予防の観点からも呼びかけられている
環境省・消費者庁・厚生労働省は、夏季の就寝時における室温管理について、熱中症予防の観点から呼びかけています。環境省のマニュアルには「我慢せずに冷房を入れる」と明記されており、節電より健康を優先する観点が示されています。ただし、冷やしすぎ(室温24℃を下回ること)については体への負担が生じる場合があるとも記載されており、適切な温度管理が求められます。
ポイント③ 湿度も室内環境の確認項目のひとつ
高湿度環境では汗の蒸発による体温調節が行われにくくなることは、生理学的に説明されている事項です。環境省のマニュアルでも、室温と合わせた湿度管理の重要性と、エアコンの除湿機能や除湿器の活用が記載されています。温湿度計を活用して室内環境の数値を確認することは、環境省も呼びかけている取り組みです。
ポイント④ エアコン使用に関する公的機関の呼びかけを確認する
就寝中のエアコン使用については、環境省・厚生労働省が熱中症予防の観点から呼びかけを行っています。タイマーは少なくとも3~4時間の使用、冷気流が直接身体に当たらない風向きの設定、扇風機との併用による空気の循環といった点が、環境省のマニュアルに記載されています。
ポイント⑤ グッズ・アプリは医療機器ではない
本記事で紹介したグッズおよびアプリは、疾患の診断・治療・予防を目的とした医療機器ではありません。これらを使用した場合の医療的効果については断定しません。睡眠に関する気になる症状については、医療機関にご相談ください。

この記事の著者 : みんウェル 編集部 (株式会社ICST 営業部)
医療機器営業とオウンドメディア運営の二刀流
これまで、衣料量販店のオウンドメディアの記事制作や、日用品メーカーの社内報の立ち上げに携わり、現在は医療機器の営業活動に邁進。
「医療機器だけでなく、日々の暮らしに役立つ情報もお届けしたい」という想いから、初めての自社メディア『みんウェル』を立ち上げる。




