2025/12/17
デジタル時代の子育て―スマホ・ゲームとの上手な付き合い方
目次
はじめに
「子どもがスマホばかり見ていて心配」「ゲームをやめさせようとすると激しく怒る」「何歳からスマホを持たせるべきか悩んでいる」――現代の子育てにおいて、デジタル機器との付き合い方は多くの保護者が直面する課題です。
内閣府の調査によると、小学生の約半数、中学生の約8割がスマートフォンを所有しています。また、オンラインゲームやSNSの利用も低年齢化しており、保護者世代が子ども時代には経験しなかった環境の中で、子育てをしなければなりません。
デジタル機器は、学習ツールやコミュニケーション手段として有益な側面を持つ一方、使い方を誤ると健康面や学習面、人間関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。本記事では、小児科医や教育心理学の専門家の知見をもとに、子どもがデジタル機器と健全に付き合うための具体的な方法をご紹介します。
禁止や制限だけでなく、子ども自身がデジタルリテラシーを身につけ、自己管理できるようになることを目指した実践的なアプローチをお伝えします。
子どものデジタル利用の実態と課題

子どものデジタル機器利用の現状
文部科学省やデジタル庁の調査データから、子どものデジタル機器利用には以下のような傾向が見られます。
利用時間の増加
- 小学生の平均スクリーンタイム:約2〜3時間/日
- 中学生の平均スクリーンタイム:約3〜4時間/日
- 高校生の平均スクリーンタイム:約4〜5時間/日
休日はさらに長時間になる傾向があり、中高生では6時間以上利用する子どもも少なくありません。
利用内容の多様化
- 動画視聴(YouTube、TikTokなど)
- オンラインゲーム
- SNS(LINE、Instagram、X(旧Twitter)など)
- 学習アプリ
- 音楽・エンタメアプリ
デジタル利用がもたらす課題
健康面への影響
- 視力低下:長時間の近距離作業による近視の進行
- 睡眠の質の低下:ブルーライトによる睡眠ホルモンへの影響、就寝前の利用による入眠困難
- 運動不足:屋外活動の減少、体力低下
- 姿勢の悪化:首や肩の痛み、スマホ首(ストレートネック)
日本小児科医会は、スマートフォンやタブレットの長時間使用が子どもの発達に与える影響について注意喚起しています。
学習面への影響
- 学習時間の減少
- 集中力の低下
- 宿題中の「ながらスマホ」による効率低下
- 睡眠不足による学習効率の低下
心理・社会面への影響
- SNS疲れ、承認欲求の過度な高まり
- オンラインでのトラブル(いじめ、誹謗中傷)
- リアルなコミュニケーション能力の低下
- ゲーム障害(WHO認定の疾患)
- 家族との会話時間の減少
ゲーム障害(ゲーム依存)とは
世界保健機関(WHO)は2019年、「ゲーム障害(Gaming Disorder)」を国際疾病分類に追加しました。以下の症状が12ヶ月以上続き、日常生活に支障をきたす場合に診断されます。
- ゲームをする時間や頻度をコントロールできない
- ゲームを他の活動よりも優先する
- 問題が起きてもゲームを続ける、またはエスカレートする
厚生労働省の調査では、中高生の約7%がインターネット依存の傾向があると報告されており、早期の対応が重要です。
年齢別:適切なスマホ・ゲーム利用時間の目安

子どもの発達段階に応じた適切な利用時間を理解しましょう。以下は、日本小児科医会や米国小児科学会(AAP)のガイドラインを参考にした目安です。
乳幼児期(0〜2歳)
推奨利用時間:できるだけ避ける
この時期は、親や周囲の人との直接的な関わりが脳の発達に最も重要です。ビデオ通話(祖父母との会話など)は例外として認められますが、基本的にはスクリーンタイムを避けることが推奨されます。
この年齢で大切なこと
- 対面でのコミュニケーション
- 絵本の読み聞かせ
- 身体を動かす遊び
- 五感を使った体験
幼児期(3〜5歳)
推奨利用時間:1日1時間以内
質の高い教育的コンテンツを、保護者と一緒に視聴することが推奨されます。一人で見せっぱなしにせず、内容について会話することが大切です。
注意点
- 食事中や就寝前の使用は避ける
- 一方的な視聴ではなく、対話的な学習コンテンツを選ぶ
- 画面から30cm以上離れて見る
小学校低学年(6〜8歳)
推奨利用時間:1日1〜2時間以内
学習目的での利用も始まりますが、まだ自己管理は難しい年齢です。保護者の見守りとルール設定が必要です。
この年齢でできること
- 親子で利用ルールを決める
- タイマーを使って時間管理を学ぶ
- 学習アプリの活用
- インターネットの基本的なマナーを学ぶ
小学校高学年(9〜12歳)
推奨利用時間:1日2時間以内(学習目的での利用を含む)
友だちとのコミュニケーションツールとしての利用が始まります。オンラインの危険性についても理解できる年齢です。
この年齢で教えたいこと
- 個人情報の保護
- ネットいじめの問題
- 著作権の概念
- 課金やオンラインショッピングのリスク
中学生(13〜15歳)
推奨利用時間:1日2〜3時間以内(学習目的での利用を含む)
自己管理能力が育ち始めますが、まだ完全ではありません。自主性を尊重しつつ、必要に応じて介入する姿勢が大切です。
この年齢での課題
- SNSでのトラブル対応
- 長時間利用による生活リズムの乱れ
- 学習とのバランス
- プライバシーと監視のバランス
高校生(16〜18歳)
推奨利用時間:自己管理を目指す(目安3時間以内)
基本的には自己管理に任せますが、睡眠や学業に支障が出ている場合は対話が必要です。
この年齢で身につけたいこと
- デジタルウェルビーイングの概念
- 情報リテラシー
- ネット上での自己表現とリスク管理
- 将来のキャリアにつながるデジタルスキル
ルール作りのポイント―親子で納得できる約束とは

ルール作りの基本原則
1. 一方的に決めない
親が一方的にルールを押し付けると、子どもは反発したり、隠れて使用したりします。親子で話し合い、子どもの意見も聞きながら決めましょう。
2. 理由を説明する
「なぜそのルールが必要なのか」を科学的根拠や具体例を交えて説明します。子どもの発達段階に応じて理解できる言葉で伝えましょう。
3. 段階的に自主性を育てる
年齢が上がるにつれて、徐々に自己管理に移行します。小学生のうちは厳しめ、中高生は緩やかにという段階的なアプローチが効果的です。
4. 定期的に見直す
子どもの成長や状況の変化に応じて、ルールを見直します。年に2〜3回、家族会議を開いて話し合いましょう。
具体的なルールの例
時間に関するルール
- 平日は○時まで、休日は○時間まで
- 宿題が終わってから使う
- 夕食中は使わない
- 就寝1時間前には終了する
場所に関するルール
- リビングなど共有スペースで使う(小中学生)
- 食卓では使わない
- 自室に持ち込むのは○時まで
内容に関するルール
- 新しいアプリをダウンロードするときは相談する
- 課金は事前に相談する
- 知らない人とやり取りしない
- 友だちや他人の悪口を書き込まない
約束が守れなかったときのルール
- 1回目:注意と理由の確認
- 2回目:1日使用禁止
- 3回目:1週間使用禁止
罰則も事前に決めておくことで、親子ともに感情的にならずに対応できます。
ルールを守らせるコツ
- 視覚化する
ルールを紙に書いて貼っておくと、口頭での注意が減り、子どもも確認しやすくなります。 - タイマーを活用
「あと○分」が分かると、子どもも切り上げやすくなります。スマートフォンのスクリーンタイム機能も有効です。 - ポジティブな声かけ
「まだやってるの!」ではなく、「約束の時間だね」と中立的な言い方をします。 - 親も同じルールを守る
「大人はいいの?」と言われないよう、親も食事中はスマホを見ない、子どもと話すときはスマホから目を離すなど、手本を示しましょう。
ペアレンタルコントロール機能の活用法

テクノロジーを使って、子どもを守る方法もあります。
ペアレンタルコントロールとは
子どもがデジタル機器を安全に使えるよう、保護者が設定できる機能です。主に以下のようなことができます。
- 利用時間の制限
- 特定のアプリやウェブサイトへのアクセス制限
- アプリのダウンロード制限
- 位置情報の確認
- 利用状況のレポート
iPhoneでの設定方法
スクリーンタイム機能
- 設定 > スクリーンタイム
- 「スクリーンタイムをオンにする」
- 「これは子供用のiPhoneです」を選択
- 休止時間、App使用時間の制限などを設定
- スクリーンタイム・パスコードを設定
主な機能
- 休止時間: 就寝時間帯などの使用制限
- App使用時間の制限: カテゴリ別や個別アプリの制限
- コンテンツとプライバシーの制限: 不適切なコンテンツのブロック
- 購入の承認リクエスト: アプリ購入時に保護者の承認が必要
Androidでの設定方法
ファミリーリンク
Googleが提供する無料の保護者向け管理アプリです。
- 保護者のスマホにファミリーリンクアプリをダウンロード
- 子どものアカウントを作成または既存アカウントをリンク
- 子どものデバイスでファミリーリンクを設定
- 各種制限を設定
主な機能
- 利用時間の管理
- アプリの管理と承認
- 位置情報の確認
- デバイスのロック
ゲーム機・ゲームプラットフォームの設定
Nintendo Switch
- みまもり設定:プレイ時間の制限、年齢制限の設定
- みまもりスイッチアプリ:スマートフォンから管理
PlayStation
- ファミリー管理機能: プレイ時間、支出制限、年齢制限
Xbox
- ファミリー設定: スクリーンタイム、コンテンツ制限
ペアレンタルコントロールの注意点
- 過度な監視は避ける
すべてを監視すると、子どもは信頼されていないと感じ、親子関係が悪化する可能性があります。年齢に応じて、プライバシーと安全性のバランスを考えましょう。 - 対話とセットで
技術的な制限だけでなく、「なぜ制限が必要か」を話し合うことが重要です。 - 抜け道があることを認識
技術に詳しい子どもは制限を回避する方法を見つけることがあります。完璧なコントロールはできないと理解しておきましょう。
ネットトラブルから子どもを守る―リスクと対策

インターネット上には様々なリスクが存在します。子どもを守るために、保護者が知っておくべきことをまとめます。
主なネットトラブルの種類
ネットいじめ・誹謗中傷
- SNSやメッセージアプリでの悪口、仲間はずれ
- 画像や動画の無断投稿
- なりすまし
対策
- 定期的に子どもの様子を観察
- 「何かあったら相談してね」と伝え続ける
- 証拠を保存する方法を教える
- 学校やプラットフォーム事業者への通報方法を確認
個人情報の流出
- 本名、住所、学校名の投稿
- 位置情報付き写真のアップロード
- 制服姿での投稿
対策
- 個人を特定できる情報は投稿しないことを徹底
- SNSのプライバシー設定を確認
- 投稿前に「この情報は公開して大丈夫?」と考える習慣づけ
不適切なコンテンツへの接触
- 暴力的、性的コンテンツ
- 自殺や自傷行為を助長する情報
- 違法薬物に関する情報
対策
- フィルタリングサービスの利用
- 検索履歴を時々確認(プライバシーに配慮しながら)
- 不適切なコンテンツを見てしまったら、すぐ相談できる関係づくり
オンライングルーミング(性犯罪)
- SNSやゲームで知り合った人から会おうと誘われる
- 性的な画像を要求される
- 個人情報を聞き出される
対策
- ネット上で知り合った人とは絶対に会わないルール
- 身体の写真は送らない
- 怖いと感じたらブロックして大人に相談
課金トラブル
- 親のクレジットカードでの高額課金
- ガチャなどでの過度な支出
- フィッシング詐欺
対策
- 課金は必ず保護者に相談するルール
- クレジットカード情報を端末に保存しない
- アプリストアで購入時の承認設定を有効化
情報リテラシー教育の重要性
子どもに以下のことを教えましょう。
- デジタルフットプリント
ネット上の投稿は完全には消えず、将来に影響する可能性があることを理解させます。 - 情報の真偽を見極める力
すべての情報が正しいわけではないこと、情報源を確認する習慣をつけます。 - 著作権の尊重
他人の作品を無断で使用しない、違法ダウンロードをしないことを教えます。 - ネチケット(ネット上のエチケット)
顔が見えなくても、相手は人間であることを忘れない。文字だけでは伝わりにくいので、慎重に言葉を選ぶ。
デジタル機器が及ぼす健康への影響と対処法

長時間のデジタル機器使用は、子どもの健康に様々な影響を及ぼします。
視力への影響
近視の進行
スマートフォンやタブレットの長時間使用は、近視を進行させるリスクがあります。特に成長期の子どもは影響を受けやすいです。
対策
- 20-20-20ルール:20分ごとに20秒間、6メートル(20フィート)先を見る
- 画面から30cm以上離す
- 明るい場所で使用
- 定期的な視力検査(年1回以上)
- 外遊びの時間を増やす(屋外活動は近視予防に効果的)
睡眠への影響
ブルーライトの影響
画面から発せられるブルーライトは、睡眠ホルモン(メラトニン)の分泌を抑制し、入眠を妨げます。
対策
- 就寝1〜2時間前はデジタル機器を使わない
- ナイトモード(ブルーライト軽減機能)を使用
- 寝室にスマートフォンを持ち込まない
- 規則正しい就寝・起床時間を維持
姿勢と筋骨格系への影響
スマホ首(ストレートネック)
下を向いてスマートフォンを見続けることで、首や肩に大きな負担がかかります。
対策
- 目線の高さでデバイスを使用
- こまめに休憩を取り、ストレッチ
- 長時間同じ姿勢を避ける
- 机と椅子の高さを適切に調整
運動不足と肥満
デジタル機器の使用時間が長いほど、身体活動量が減少し、肥満のリスクが高まります。
対策
- 毎日1時間以上の身体活動
- 外遊びを奨励
- 家族でスポーツや散歩
- アクティブなゲーム(ダンスゲームなど)も取り入れる
メンタルヘルスへの影響
SNSの過度な使用は、不安やうつ症状、自己肯定感の低下と関連することが研究で示されています。
対策
- SNS上での比較に注意を向ける
- 「いいね」の数に一喜一憂しないマインド
- リアルな人間関係を大切にする
- 子どもの様子がいつもと違う場合は声をかける
デジタルツールのメリットを活かす学習・コミュニケーション術

デジタル機器は、使い方次第で子どもの成長を助けるツールになります。
学習面でのメリット
個別最適化された学習
- AIが学習進度を分析し、個人に合った問題を提供
- 苦手分野を重点的に学習できる
- 自分のペースで学べる
豊富な学習リソース
- 動画授業で視覚的に理解
- インタラクティブな教材で楽しく学習
- 世界中の情報にアクセス可能
推奨される学習アプリ・サービス
- プログラミング学習(Scratch、Code.orgなど)
- 語学学習(Duolingo、英検アプリなど)
- 算数・数学(Khan Academy、数学アプリなど)
- 電子書籍・読書(青空文庫、Kindleなど)
コミュニケーション面でのメリット
遠隔地の人とのつながり
- 祖父母とのビデオ通話
- 海外の友だちとの交流
- オンラインコミュニティでの共通の趣味を通じた交流
表現の場の拡大
- 創作活動の発信(イラスト、音楽、動画など)
- 同じ興味を持つ仲間との出会い
- 作品へのフィードバックで成長
創造性を育むデジタルツール
- イラスト・デザインアプリ
- 音楽制作アプリ
- 動画編集アプリ
- 3Dモデリング
これらのツールは、将来の職業選択の幅を広げる可能性もあります。
バランスの取れたデジタル活用
ポイント
- 「学習目的」と「娯楽目的」を区別する
- 受動的な消費(動画視聴)より、能動的な創造を奨励
- デジタルとアナログのバランス
- オンラインとオフラインの体験の両方を大切に
よくある質問Q&A
Q1. 子どもがルールを守りません。どうすればいいですか?
A. まず、ルールが適切かを見直しましょう。厳しすぎるルールは守られません。また、ルールを決める際に子ども自身が参加していたか確認してください。
守らない理由を冷静に聞き、「ゲームの途中で終われない」などの具体的な理由があれば、「キリの良いところで終わる」などの調整も検討しましょう。
それでも守らない場合は、事前に決めた罰則を感情的にならずに実行します。一貫性が重要です。
Q2. スマホを取り上げたら、子どもが激しく怒りました。どうすればよかったですか?
A. 突然の取り上げは、子どもにとって予測不可能な罰に感じられ、反発を招きます。より良いアプローチは以下の通りです。
- ・事前にルールと罰則を決めておく
- ・警告を与える(「あと5分で時間だよ」)
- ・ルールを破った場合、予告通りに対応
- ・冷静に、感情的にならず実行
すでに取り上げてしまった場合は、冷静になってから話し合いの機会を持ちましょう。
Q3. 何歳からスマホを持たせるべきですか?
A. 明確な正解はありませんが、以下の要素を考慮して決めましょう。
- 子どもの成熟度と責任感
- 必要性(通学距離、習い事など)
- 家庭のルールを守れるか
- トラブルに対処できる準備ができているか
多くの家庭では、中学入学時にキッズケータイからスマートフォンに移行しています。最初は機能制限をかけたり、データ通信量を制限したりするのも一案です。
大切なのは「持たせる時期」より「持たせる前の準備と持たせた後のフォロー」です。
Q4. 子どもがゲーム依存かもしれません。どうすればいいですか?
A. 以下のサインが複数あり、3ヶ月以上続く場合は要注意です。
- ゲーム以外のことに興味を失った
- ゲーム時間をコントロールできない
- ゲームのために嘘をつく
- 成績が著しく低下
- 睡眠リズムが乱れている
- ゲームを制限すると激しく怒る
専門機関への相談をお勧めします。
- 各都道府県の精神保健福祉センター
- 小児科や児童精神科
- 国立病院機構久里浜医療センターのネット依存治療部門
早期対応が重要です。一人で悩まず、専門家の力を借りましょう。
Q5. 親自身もスマホを長時間使っています。説得力がないと言われます。
A. 子どもの指摘は正しいです。「子どもだからダメ」という理由では納得しません。以下の対応をお勧めします。
- ・親自身の使用時間を見直す
- ・仕事で使う場合は説明する(「これは仕事のメール」など)
- ・家族時間のルールを全員で守る(食事中、団らん中はスマホを見ない)
- ・一緒にスクリーンタイムを減らす取り組みをする
「親も頑張るから、一緒に改善しよう」という姿勢が効果的です。
Q6. オンラインの友だちと遊ぶのは危険ですか?
A. オンラインでの交流自体が悪いわけではありませんが、注意が必要です。
安全な範囲
- 学校の友だちとオンラインゲームで遊ぶ
- 共通の趣味を持つコミュニティでの交流(保護者が内容を把握)
危険な兆候
- 年齢や性別が不明な人との個人的なやり取り
- 実際に会おうと誘われる
- 個人情報を聞かれる
- 秘密にするよう言われる
子どもには「オンラインで知り合った人とは会わない」「怪しいと思ったらすぐ相談」を徹底しましょう。
まとめ

デジタル時代の子育ては、私たち親世代が経験したことのない課題に直面しています。しかし、適切な知識と対応があれば、デジタル機器は子どもの成長を助ける有益なツールとなります。
本記事の重要ポイント
- 年齢に応じた利用時間を守る
乳幼児は避ける、幼児期は1時間以内、小学生は1〜2時間、中学生以降は2〜3時間を目安に、発達段階に合わせた制限が必要です。 - 対話を重視したルール作り
一方的な禁止ではなく、子どもと一緒にルールを決め、理由を説明することで、納得感と守る意欲が生まれます。 - テクノロジーを味方にする
ペアレンタルコントロール機能を活用しながらも、過度な監視にならないよう、年齢に応じたプライバシーへの配慮が大切です。 - ネットリスクへの備え
いじめ、個人情報流出、不適切なコンテンツなど、様々なリスクから子どもを守るために、情報リテラシー教育を継続的に行いましょう。 - 健康への配慮
視力低下、睡眠障害、運動不足など、デジタル機器が健康に及ぼす影響を理解し、予防策を講じることが重要です。 - ポジティブな活用
学習ツール、創造性を育む道具、コミュニケーション手段として、デジタルのメリットも積極的に活かしましょう。 - 親自身が手本となる
子どもは親の姿を見て育ちます。親自身がデジタル機器と健全に付き合う姿勢を示すことが、最も効果的な教育です。
完璧を目指さなくても大丈夫
すべてのルールを完璧に守らせようとすると、親子ともに疲れてしまいます。大切なのは、子どもが成長するにつれて、自分でデジタル機器との付き合い方をコントロールできるようになることです。
小さな失敗は学びのチャンス。ルールを破ったとき、トラブルに巻き込まれたときこそ、対話を深め、判断力を育てる機会です。
困ったときは専門家に相談を
ゲーム依存やネットトラブルなど、家庭だけで対応が難しい場合は、以下に相談できます。
- 学校のスクールカウンセラー
- 各都道府県の精神保健福祉センター
- 法務省「子どもの人権110番」(0120-007-110)
- 警察の相談窓口(#9110)
- 各SNSプラットフォームの通報機能
デジタル機器は、もはや現代社会で避けては通れない存在です。禁止や制限だけでなく、子どもがデジタルリテラシーを身につけ、適切に活用できるよう、長い目で見守り、支援していきましょう。
親子で対話を重ね、試行錯誤しながら、各家庭に合ったバランスを見つけていくことが、デジタル時代の子育ての鍵となります。




