デスクワークの腰痛予防、座りすぎによる腰への負担を減らす習慣と対策
目次
はじめに
腰痛は、特定の業種や作業に限らず、多くの業種・作業においてみられる症状です。
パソコンを使ったオフィスワークやデスクワークが働き方の中心となる中で、座りすぎによる腰への負担は「現代病」という言葉で語られることもあります。
本記事では、デスクワークで腰にかかる負担の仕組みと、日常生活で取り入れやすい基本的な対策を整理します。
※なお、本記事は一般的な情報の提供を目的としたものであり、特定の症状に対する医療上の判断や助言を行うものではありません。腰の痛みが続く場合や強い痛みがある場合は、自己判断をせず、医療機関にご相談ください。
デスクワークで腰にかかる負担の正体

一般事務やパソコンなどの情報機器を用いる作業は、椅子に座った状態で行う作業にあたります。
この座った状態での作業は、身体全体への負担は立った状態に比べて軽い一方で、腰椎にかかる荷重はかえって立った状態よりも大きくなるとされています。
デスクワークでは、椅子に座った状態でパソコン作業を続ける時間が長くなりやすく、姿勢が崩れたまま同じ状態が続きやすいという特徴があります。
姿勢を変えずに立ち続ける、または座り続けることが、腰への負担につながる背景のひとつとして位置づけられています。立った姿勢・座った姿勢のいずれであっても、同一姿勢を長時間続けないよう留意しましょう。
また、作業する際に自然で無理のない姿勢で作業を行えるよう、椅子の座面の高さや机・作業台の高さ、キーボード、マウス、ディスプレイの位置などを総合的に調整することも腰痛予防のひとつとして挙げられます。
裏を返せば、これらの調整が行われていない環境では、無理のある姿勢が続きやすくなる可能性があるといえます。

座った状態での作業は、立った状態に比べて足関節や膝関節を固定する必要がないため、身体全体で見れば筋疲労は軽減されるとされています。一方で、身体を動かせる範囲が限られるため、姿勢を頻繁に変える必要がある作業や、大きな力・回転力を必要とする作業には適していません。
座った姿勢を長時間取り続けると、背中の筋肉の疲労によって前かがみの姿勢になりやすいことや、お腹の筋肉が緩みやすくなること、背骨の自然なカーブが変化すること、太ももが圧迫されることといった影響が現れます。
デスクワークで長時間パソコンに向かう作業は、この座った姿勢の特性がそのまま当てはまる場面といえます。
オフィスワークにおける「座りすぎ」は、こうした姿勢の固定化と密接に関わる要素のひとつです。デスクワークという働き方そのものが腰痛の原因であると断定できるわけではありませんが、長時間座った姿勢が続きやすいという作業環境は腰痛を引き起こしやすいと言えるでしょう。
腰痛を引き起こす主な原因とは

腰痛の発生要因は大きく3つに分類されています。
1. 動作要因
強い身体的負荷がかかること、立った姿勢や座った姿勢など静的な作業姿勢を長時間続けること、前屈やひねり、後屈といった不自然な姿勢をたびたび取ること、急激で不用意な動作を行うことなどが含まれます。
2. 環境要因
腰部への振動、寒冷な環境、床面の滑りやすさや段差といった、作業を行う環境に関わる要因です。
3. 個人的要因
年齢や性別、体格、筋力、椎間板ヘルニアや骨粗しょう症などの既往症・基礎疾患の有無、精神的な緊張度といった、個人の状態に関わる要因です。
これらの要因は単独で作用するのではなく、複数が重なり合うことで腰痛の発生に関わるとされています。デスクワークという作業の性質上、この中でも特に動作要因に含まれる「長時間の静的作業姿勢」が関わりやすい環境にあるといえます。
今日からできる腰痛予防の基本対策

厚労省のガイドラインでは、パソコンなどの情報機器を使用する作業者が自然で無理のない姿勢を保てるよう、次のような点に留意することが示されています。
- 椅子に深く腰をかけて、背もたれに背を十分にあてた姿勢を基本とすること
- 履き物を履いた状態で、足の裏全体が床に接した姿勢を基本とすること
- 椅子の座面と大腿部(太もも)の裏側との間に、手指が押し入る程度のゆとりを持たせること
- 大腿部(太もも)に無理な圧力が加わらないようにすること
また、座位のみで作業を続けるのではなく、時折立位を交えて作業することが望ましいともされています。立った姿勢・座った姿勢のいずれであっても、同一姿勢を長時間取らないようにすることが要打つ予防として挙げられています。
デスクワークの合間に椅子から立ち上がり、姿勢を変える機会を意識的に持つことや、椅子や机の高さ、ディスプレイの位置が自分の体格に合っているかを見直すことも、腰痛予防の基本的な対策として挙げられるでしょう。
腰への負担を減らすための習慣づくり

作業を行う設備や作業台について、作業者が設備等に合わせて働くのではなく、作業者に合わせて設備等を整えることで、適切な姿勢、高さを確保することが大切です。
デスクワークにおいても、椅子や机の高さを自分の体格に合わせて調整できるようにしておくことや、ディスプレイの位置を見直すことは、日々の習慣として取り入れやすい対策のひとつです。
また、不自然な姿勢を要する作業や反復作業をできるだけ連続させないようにすることや、作業時間中にも適宜、小休止・休息が取れるようにすることが望ましいとされています。
デスクワークの中でも、作業のひと区切りごとに姿勢を変える時間を意識的に設けましょう。
腰痛の発生には、動作要因や環境要因だけでなく、年齢や体格、既往症といった個人的要因も関わるとされています。同じ対策を行っても、身体の状態によって感じ方には違いがあることを踏まえたうえで、無理のない範囲で取り入れてみましょう。 なお、デスクワークやオフィスワークを続ける中で、椅子や机の調整、姿勢の見直し、休憩の取り方といった対策は、一度行えば終わりというものではなく、日々の作業の中で継続して意識することが前提です。座りすぎを避けるための工夫を、特別な取り組みとしてではなく、日常の作業の流れの中に組み込んでいく視点が、腰痛予防の習慣づくりといえます。
まとめ

デスクワークにおける腰への負担は、座った姿勢という特性や、長時間同じ姿勢を続けやすい環境など、複数の要因が関わっています。椅子や机の調整、姿勢の見直し、適度な休憩といった基本的な対策から始めてみましょう。
本記事の内容は、公的機関の資料に基づく一般的な情報の提供を目的としたものであり、特定の症状の診断や治療方針を示すものではありません。腰の痛みが続く場合や、日常生活に支障が出ている場合には、自己判断をせず、医療機関にご相談ください。

この記事の著者 : みんウェル 編集部 (株式会社ICST 営業部)
医療機器営業とオウンドメディア運営の二刀流
これまで、衣料量販店のオウンドメディアの記事制作や、日用品メーカーの社内報の立ち上げに携わり、現在は医療機器の営業活動に邁進。
「医療機器だけでなく、日々の暮らしに役立つ情報もお届けしたい」という想いから、初めての自社メディア『みんウェル』を立ち上げる。
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